【感想レビュー】両隣りの年上は僕に甘い罠を仕掛ける

『 両隣りの年上は僕に甘い罠を仕掛ける 』

作品情報

「娘には内緒よ」「私の純潔を奪って欲しいの」「姉妹であなたの×××を舐めてあげる……」右隣りの未亡人母娘が、左隣りの美姉妹が少年を狂わせる、味も匂いも違うレッスン。四人の年上に導かれ、僕は大人への階段を……午後の町には最高の隣人体験が待っている！

基本情報

感想レビュー：年上美女と娘に囲まれる濃厚誘惑劇

年上美女たちが仕掛ける誘惑劇

「両隣りの年上は僕に甘い罠を仕掛ける」は、巽飛呂彦らしい安定した誘惑系の作風を基盤にしつつ、ユニークなキャラクター配置で読者を楽しませてくれる作品でした。物語の中心は高校生の祐樹と、彼を取り巻く両隣の“年上”女性たち。その中でも特に光るのは、母であり未亡人でありながら、天然でウブという矛盾した性質を持った亜唯子。このキャラの設定はかなり大胆で、レビューでも「とらドラ！」のやっちゃん的な雰囲気を感じたという声も多かったように思います。

四人のヒロインが織り成す関係性

本作の魅力の一つは、ヒロイン四人を「母娘」と「姉妹」という対比構造で配している点。積極的な咲と、生真面目な妹・菜緒。ツンデレ気質の幼馴染みつぐみと、包容力ある亜唯子。この関係性がうまくテンポを作り出しており、姉妹・母娘それぞれの立場を活かした掛け合いが絶妙に働いています。ただ、「人数が多い分、1人ひとりの描写が薄くなってしまう」という感想も一部にはあり、複数ヒロインを活用する巽作品の良さと難しさが共存していました。

甘美で濃厚なエロスと年齢差のスパイス

官能小説としての醍醐味であるエロさは十分。母的存在の亜唯子が内心に抱える年齢差の葛藤や娘への負い目は、ただのエロスに終わらせず心理的な深みを与えています。最後には定番のハーレム展開、さらには大胆な5Pに至る流れも健在で、期待している読者にはしっかり応えてくれる構成。ただし一部では「亜唯子のセリフ回しは甘すぎて場面に合わない」といった戸惑いもありましたが、それも含めて巽作品らしい“甘さ”といえるでしょう。

読後感と全体評価

読み終わった後は、単なる肉体的な快楽ではなく、それぞれの女性が祐樹に寄せる複雑で深い愛情が心に残ります。シリーズとしての安定感はもちろんありますが、亜唯子のキャラ造形や姉妹・母娘という贅沢な並列構造が、作品全体に個性を与えていました。細部の粗さよりも全体の甘美さや濃厚な世界観が勝り、「賛」の評価が多い印象です。

4.2

最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。