【感想レビュー】辱めないでください 息子の嫁と家政婦

『 辱めないでください 息子の嫁と家政婦 』

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感想レビュー：義父の老獪さと若嫁の葛藤が織りなす官能劇

舞条弦『辱めないでください 息子の嫁と家政婦』は、フランス書院文庫から刊行された官能小説である。28歳の若嫁・優佳が嫁いだ先で、義父と家政婦の関係に巻き込まれていく様を描いた作品だ。

ダブルヒロインの構図が生む緊張感

本作の特徴は、すでに義父に落ちている家政婦・桜子と、これから追い詰められていく若嫁・優佳という二人のヒロインが登場する点にある。レビューでは「家政婦の方はすでに完堕ち済で話が早く」という評価があり、桜子が物語を加速させる役割を担っていることが分かる。優佳は「桜子さん、そんなことはだめ、私のお義父さんと……」と葛藤しながらも、ふすま越しに聞こえてくる音に火照りを覚え、やがて自らの体に手を伸ばしてしまう。この心理描写の丁寧さが、単なる展開の羅列に終わらない深みを作品に与えている。

義父キャラクターの存在感

「たいへんエロにつよいお義父さん」「お義父さんはエロマスター」といったレビューからは、義父キャラクターの圧倒的な存在感が伝わってくる。舞条弦の前作では若い男性が中心だったが、本作では年長の男性が主役となり、「老獪な魔手」という表現が示すように、経験と知恵を駆使した攻略が描かれる。「羞恥プレイ好きにちゃんと応えるＷヒロイン」という評価からも、義父の嗜好とヒロインたちの反応が噛み合っている様子が窺える。

気になる点と総合的な評価

一方で「息子さんが情けなさ過ぎてノイズになる」という指摘もあり、夫である息子の描写が物語の没入感を削いでいるという声も見られた。また「何時でもスルだけのあらすじなので飽きる」という厳しい意見もあり、展開のパターン化を感じる読者もいるようだ。

それでも、複数のレビューやブログでは「最高傑作」との評価があり、舞条弦作品の中でも完成度の高い一作として位置づけられている。フランス書院公式サイトでは前半部分が試し読みでき、「面白かったので全部読んでみた」という声もあることから、導入部分の吸引力も確かなものがある。貞淑な若嫁が理性と肉体を揺さぶられていく過程を、心理描写を交えて描く本作は、官能小説としての基本を押さえつつ、ダブルヒロインという構成で物語に奥行きを持たせた作品と言えるだろう。

3.8

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