『 女教師・Mの教壇 』

作品情報
「ああ、わたしの裸、見られてる。たくさんの生徒たちにアソコの奧まで見られてるのね……」授業中だというのに教え子に女体を嬲られ、堕としめられていく極限の恥辱! 女教師の矜持と欲望が胎内ではじけたとき、江利子は生徒のマゾペットとなる……
基本情報
感想レビュー:挿入なしの羞恥調教という独特なアプローチ
伊達龍彦『女教師・Mの教壇』は、フランス書院文庫から刊行された官能小説である。本作最大の特徴は、直接的な行為がないという点だ。数学教師・中村江利子24歳を主人公に、徐々に露出の快感へと目覚めていく過程を描いている。
冷徹な生徒たちによる計算された調教
物語の舞台は全国屈指の進学校。優秀すぎる生徒たちは成績も素行も問題なく、教師たちは無気力になっていた。そんな中、江利子だけは自分なりの授業を工夫しようと教育に燃えていた。しかし彼女の前に現れたのは、「悪戯をしたい」と要求する冷静で冷徹な六人の生徒たちだった。
「この作品の凄いところはそんなところではない。一人の女性を露出に快感を求めるマゾペットに堕としてしまう過程なのだ」という評価が示すように、本作は心理的な追い詰め方に焦点を当てている。従来の作品のような「うえへへへ」といった直接的な劣情の発露はなく、むしろ「不自然に自制が利き過ぎていて」「謎の組織っぷり」とも評される冷静さが特徴だ。
前半の淡々とした展開と第四章の盛り上がり
数学教師という理詰めの性格を反映してか、前半部分は「冷徹で淡々とした調教」が続く。「江利子の理屈っぽい内面描写に合わせて文章もカタくて、読んでてなかなかカッタルイ。熱というものが全くなくてエロさも感じられない」という指摘があり、180ページを超える三章までは長いプロローグと感じる読者もいた。
しかし第四章、タイトルにもある「Mの教壇」シーンで作品は大きく変化する。「ウインドブレーカー一枚着ただけの姿で授業!」という展開は「面白い。てか、好き」と高く評価されている。「なるべく薄着でいなさいと言われて」という無茶な言い訳で上半身裸での授業へと進み、やがて全裸授業へとエスカレートしていく様子は、本作のクライマックスとして機能している。
「妊娠は避けるために挿入はなしという冷静で落ち着きあり過ぎる焦らしプレイっぷりも、これはこれでストイックなゲームっぽくて面白い」という評価は、本作の独自性を端的に表している。
白日夢描写と冗長さへの指摘
作者の特徴として「主人公の白日夢や空想の描写がやたらと出てくるので、作品内における現実のハナシとごっちゃになるのが難点」という指摘がある。江利子が「予めノーパンだったのを忘れて、生徒にパンツを脱がされる白昼夢を見て」という描写などがそれにあたる。終盤では淫夢を見る場面もあり、精神的な追い詰められ方や心理描写が細かく表現されている。
ただし「全裸ペット化してからのエピローグも、200頁近いプロローグと同様、いささか冗長」という声もあり、全体を通して読むには長さを感じる構成だ。「お気に入りのシーンだけをピックアップして読む分には結構良い」という意見は、作品の楽しみ方を示唆している。
文学性と官能性のバランス
「リアリティは全く感じられない」という批判がある一方で、「伊達龍彦の最高傑作」「単なる官能小説の枠を超えた文学的な深みも感じられる」という高評価もある。「読んでてムカッ腹が立ってくるような文章の下手糞っぷりはなかったから、読めるっちゃあ読める。手放しのエロさはないけど、文章書きとしてのしっかりした実力はあると思う」という評価は、作者の筆力を認めつつも、好みが分かれる作品であることを示している。
「登場人物には血が通ってなくて、なんかわかんねえけどチョー盛り上がるー!みたいな文句なしの面白さはココにはない」という率直な感想は、本作が感情的な高揚よりも、計算された心理描写に重点を置いていることを表している。露出趣味を持つ読者には「ものすごーくワカル描写」かもしれないが、万人向けではない作品と言えるだろう。
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