『 若妻女教師と新人女教師 』

作品情報
「私も君とすごくセックスしたかった……」清楚なブラジャーを外し、裸身をさらす人妻女教師。白いふとももの付け根には大人しか知らない世界が!新米女教師との姦係に溺れる少年を正道に戻そうと、二人きりの教室でつづくプライベートレッスン。28歳と22歳、ふたりの聖職者が牝になるとき!
基本情報
感想レビュー:脱マンネリを図った神瀬作品の変化球
神瀬知巳『若妻女教師と新人女教師』は、「特選小説」に連載された短編で構成される官能小説である。人妻女教師と新人女教師それぞれを中心に描く本作は、神瀬作品としては従来の作風から変化を見せた一作として注目される。短編集ながらキャラごとのエピソードがしっかりしており、「キャラクターの個性が鮮明」と評価されている。
従来作品からの作風の変化
神瀬知巳作品は「いわゆる『筆おろしもの』で、純情な男子高校生が憧れの年上女性と結ばれ、やがてハーレムエンドを迎えるものばかり」という定番の作風で知られていた。しかし本作では「脱マンネリを目指したものか、初期の作品には見られなかった携帯での撮影シーンがふんだんに登場し、劣情を刺激します」という新たな要素が加わっている。時代性を取り入れた携帯撮影という設定は、作品に現代的な緊張感を与える効果を持つ。
さらに「明らかにSMチックな作品になっており」という指摘の通り、従来の純真な展開とは異なる方向性が見られる。「縛られ、撮影され、スパンキングされ、剃毛され」といった要素が登場し、ハード寄りの描写が特徴となっている。主人公についても「男子高校生は過去の作品のように純真では無く、冷酷でイヤな感じがする男」と評され、キャラクター造形においても変化が見られる。
ヒロインの変貌と心理描写
本作のメインヒロインは若妻女教師の美有紀だが、「時系列が前後しており、別の女性で脱童貞を済ませた高校生に、美有紀はひたすら陵辱され」るという構成になっている。筆おろし相手ではないという点も、従来の神瀬作品とは異なる設定だ。
「その高校生に全身全霊を捧げる美有紀の変わり様は唯々エロティックで、ふたりの交わりを描いた3章までが本作の白眉でしょう」という評価は、ヒロインの心理的変化が丁寧に描かれていることを示している。「人妻教師とのやり取りが面白い」という声や、「どのページも心の声が多く、作風として好き嫌いが分かれそう」という指摘からは、内面描写の多さが本作の特徴となっていることが分かる。会話劇や心理描写に重点を置いた構成は、キャラクターの感情の動きを追う読者には魅力的だが、テンポを重視する読者には冗長に感じられる可能性もある。
短編集としての構成と課題
本作は短編形式で構成されており、「短編集ながらキャラごとのエピソードがしっかりしていて飽きが来ない」「短編形式がバランスよくまとまっている」という評価を得ている。人妻女教師と新人女教師それぞれに個性が明確で読みやすいという点も、短編集としての強みだ。
一方で「新人や後輩キャラがやや邪魔に感じた」という声や、「短編集のため話の掘り下げがやや浅い部分もある」「女上司や義母パートの掘り下げ不足」という指摘もある。短編という形式ゆえに、すべてのキャラクターを十分に掘り下げることができなかった側面があるようだ。
「個人的には妊娠が発覚して幸せそうな三十路女の描写が好きなのですが、本作にはそれが無いので星ひとつ減じておきます」という意見は、神瀬作品の従来のファンが期待する要素が本作には含まれていなかったことを示している。ハッピーエンド的な結末を期待する読者層には、やや物足りなさが残る構成だったようだ。
評価と読者層
「大変良かったです。ありがとうございます」というシンプルな高評価や、星4つから星5つという評価からは、一定の満足度を得ている読者がいることが分かる。おとな文庫レビューサイトで13位として取り上げられるなど、神瀬作品の中でも注目度の高い一作となっている。
DMMブックスやBookLiveでは「清楚な人妻女教師と新人女教師を中心に描く官能短編集」として紹介されているが、直近の読者レビュー投稿は少ない。それでも外部レビューサイトで評価がまとめられていることからも、一定の読者を獲得している作品であることが窺える。
従来の神瀬作品のファンには作風の変化が賛否両論を呼ぶ一方、SMチックな展開や携帯撮影といった新要素を求める読者層には新鮮に映る作品となった。脱マンネリを図った挑戦的な一作として、神瀬知巳の作品群の中で独特の位置を占める短編集と言えるだろう。
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