『 悪魔の衝動 若妻と女子校生 』
感想レビュー
久々に読み返したのが『悪魔の衝動 若妻と女子校生』。倉田稼頭鬼×井筒涼ラインに通じる“男臭い官能小説”というか、最近のラノベ風・オタク臭さが薄いところがまず好印象だ。電車痴●から始まり、隣人の若妻と女子高生をひとりの男が次々とわが物にしていく――なんとも欲張りなストーリー展開で、王道中の王道といった感じ。
確かに発表時期が古いので描写に少し“時代の匂い”はあるのだが、その分ストレートな肉感的エロスが強調されていて、逆に新鮮に思えた。若妻が痴●で揺らいでいく姿や、女子高生がその光景を目撃して心が揺さぶられる構図は、ありがちな展開でありながらも妙に説得力があった。特に若妻の操を奪うシーンと、女子高生の処女喪失の場面はじっくり時間をかけて描かれていて、当時のフランス書院らしい濃厚さが楽しめる。
一方で「描写が淡泊に感じた」という声もあった。派手な展開は少なく、痴●から堕ちていくまでの過程は安心感ある反面、意外性や激しさが足りないという評価。ただ、それを「読みやすい滑らかさ」とポジティブに捉えているレビューもあり、読む人の好みで賛否が分かれる部分だろう。
個人的には「痴漢次郎」という仲介役キャラが面白かった。彼が積極的に堕とすのではなく、“場を整えて主人公に渡す”という立ち位置で、それがまた作品全体を独特の空気にしていた。舞台はマンションの集会所や駅トイレなど、日常の延長にある場が多く、そこで繰り広げられる背徳感たっぷりの情事描写はかなり印象に残る。また、女子高生のその後が「覗き見体験の延長として章を跨いで語られる」という構成も面白く、読後感を強めている。
一点だけ惜しいのは、女子高生が堕ちるまでの過程がやや唐突に感じられる点。父性的なものへの憧れ=ファザコン的要素として解釈できなくもないが、ここはもっとボリュームを割いてほしかった。ただ、その分“可愛らしい恋する乙女”としての若妻の描写には厚みがあり、彼女の変化を楽しむだけでも価値は十分ある。
全体としては「陰惨さを避け、流れるように展開しながら、肝心な官能パートは濃厚に書き込む」というバランスが絶妙で、読者に安心して勧められる一冊。作者自身もこの路線を続ければさらに名作を残せただろうに…という惜しさを感じずにはいられない。
賛否両論はあれど、「古き良き王道ポルノ」「女性は酷く貶めないが、しっかりエロい」という点で高く評価される作品と言えるだろう。
作品情報
(隣家の美しい若妻をモノにして自由に味わいたい!)町で見かけた詩織の姿が、男の劣情に炎を灯した。魔指で双丘の狭間をいじり、女子トイレで肉交を強要。調教を目撃した女子校生・結衣を甘言で罠に堕とし、セーラー服姿のまま処女を奪い、絶頂を体験させる……26歳と○7歳、二人の隣人を美囚調教する背徳の宴。
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