『 女子行員・麻衣子の調教日記 』
感想レビュー
読んでみてまず感じたのは、ありがちな「優等生が遊び慣れた男に堕ちる」というテーマを扱いながらも、不思議と説得力があったという点です。実際、レビューでも言及が多かったように、北関東出身で厳格な家庭に育ち、青春時代に遊びを知らぬまま社会人になったヒロイン――この設定が極めてリアルで、だからこそ「なぜ彼女がこの道に進んだのか」という過程に納得がいく。単に「流されて堕ちる」のではなく、彼女自身の逡巡や「このままではいけない」という自意識から行動に移る物語が、読者を引き込みます。
特に、処女を捨てるまでの揺れ動く心理描写、そして肉体を許した男性への淡い恋情や疑念に至るまでの流れは、ただの官能小説以上の読み応えが感じられました。レビューでも「カタルシスを生むのは逡巡が描かれているからだ」という意見があり、これは納得できる評価だと思います。
一方で、批判的な意見も少なくありませんでした。例えば「各シーンの描写が短く挿絵も少ないため没入感が浅い」「キャラデザインが途中で変わってコレジャナイ感が出る」といったレビュー。また「調教ものなのに突っ込みが浅く、中途半端」という感想も見られました。よりディープな調教を期待した層には物足りなく感じられたのかもしれません。しかし逆に言えば、「過激さを抑えて現実味を残しているため読みやすい」と好意的に受け取る人もいて、むしろ“適度なアブノーマル”として評価されている面もあります。
私自身も、最後まで読んでみて「ほどよいリアリティと、堕ちていく過程の説得力」が魅力だと感じました。確かに細部に粗さはあるし、もっと濃くできる余地も感じます。しかし「真面目な銀行員が少しずつ性を開かれていく」というテーマを、単なるフェチものに留めず、大人向けの“物語”として成立させているところは評価したい。ファンタジー寄りのエロに疲れた人には、確かにおすすめできる作品だと思います。
――全体の印象としては「賛否ありつつも、説得力あるヒロイン像とリアルな心理描写で支持を集めている」作品でした。
作品情報
出会い系の毒牙は女の性を呼び醒ます
麻衣子は出会い系SNSで出会った男に
秘められた性感を教え込まれる。
真面目な銀行員は初めて知る女の快感に困惑するが──。
「挿れて……挿れてください」
堰を切ったようにあふれ出す淫欲に背中を押され、
麻衣子はネットで知り合った男に己の全てを曝け出す。
サンプル
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