【感想レビュー】奴●職員室【女教師・真由と涼子】

『 奴●職員室【女教師・真由と涼子】 』

作品情報

教育への情熱みなぎる22歳の新任女教師・真由。怜悧な美貌と武道に秀でた気丈な牝豹教師・涼子。学園で華を競う二人の聖職者が同僚教師の罠に！教室で、自宅マンションで続く凄絶な性調教！

基本情報

感想レビュー：二人の女教師の抵抗と屈服を描く大作

夢野乱月『奴隷職員室【女教師・真由と涼子】』は、フランス書院文庫Xシリーズから刊行された官能小説である。2020年2月の新装版では初版（2007年3月発行）から大幅加筆され、528ページという大ボリュームで「初期の傑作が甦る」と評される作品となった。教育への情熱を持つ22歳の新任女教師・真由と、怜悧な美貌と武道に秀でた27歳の涼子という二人の女教師が、同僚教師の罠に陥る展開を描いている。

本編と短編の構成

本作は表題作が全体の7割を占める構成となっており、残りは短編2作品で構成されている。「ヒロインは4名。独身女教師22歳。未亡人女教師27歳。理事長夫人33歳」という構成で、それぞれのキャラクターが物語に深みを与えている。竿役のメインは美術教師で、サブとして元生徒が登場する。657ページという情報もあり、版によってページ数に差があるようだが、いずれにしてもボリュームのある作品だ。

二人の女教師の対照的な魅力

主人公である真由と涼子は、それぞれ対照的な魅力を持つ。真由は教育への情熱を持つ清純な新任教師として、涼子は「牝豹教師」と称されるほどの武道の腕前と怜悧な美貌を持つ先輩教師として描かれている。学園で華を競う二人が同僚教師の罠に陥り、教室や自宅マンションで調教を受けるという展開は、彼女たちの立場や性格の違いを際立たせる。

「新任教師真由と先輩教師涼子が同僚教師に襲われ続け、女教師二人はそれぞれ結構抵抗する」という記述から、二人とも最初は強く抵抗する様子が描かれていることが分かる。この抵抗の過程が、物語に緊張感を与えている。

変貌していく二人と結末への賛否

物語が進むにつれて、二人の女教師は「次第に強姦に慣れていき、強姦でないと満足できなくなっていく」という心理的変化を遂げる。最終的には「年上の涼子はレ◯プ同僚教師と結婚し妖艶な雰囲気を持った女教師に、真由も清純だった印象を無くし涼子ほどではないが妖艶な雰囲気持つようになり」という変貌を見せる。

この結末については「面白くない」という厳しい評価もある。特に二人が完全に屈服し、新たな標的の情報を流すようになる展開は、読者によって好みが分かれるポイントだ。救いのない結末を好む読者と、何らかの抵抗や逆転を期待する読者で、評価が二極化している。

描写の特徴と全体評価

「前後両方責めて屈服させる感じ。羞恥心を煽るシーンは少ない」という指摘は、本作の描写の特徴を端的に表している。羞恥プレイよりも、肉体的な責めによる屈服に重点が置かれている作風だ。

ネット上でのレビュー投稿は限定的で、電子書店では0件との記載もあるが、CMOAでは平均評価5.0ポイントとの情報もあり、評価する読者からは高く支持されている。「とても楽しく読んでます」というシンプルな肯定的評価や、星4つの評価もあり、夢野乱月ファンにとっては読み応えのある一作と言える。

2ちゃんねるや5ちゃんねるなどの掲示板では散発的な言及にとどまり、個人ブログでも詳細なレビューは少ない状況だが、大幅加筆された新装版として初期の傑作が蘇った本作は、ボリュームと二人のヒロインの変貌を丁寧に描いた点で、一定の評価を得ている作品と言えるだろう。

3.8

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