【感想レビュー】奴●オークション【令夫人と哀姉妹】

『 奴●オークション【令夫人と哀姉妹】 』

感想レビュー

まず感じたのはタイトルや紹介文から想像していた内容との大きなギャップでした。どうしても「奴隷化」「オークション」「哀姉妹」という言葉が前に出て、“凌辱・破滅系”の重たいストーリーを連想していたのですが、実際はむしろイチャラブ要素がかなり充実していて驚かされます。序盤こそ調教や乱交的な雰囲気が匂わされるものの、核心に入っていくと各ヒロインが基本的に１対１でパートナーと結ばれ、終盤のオークションですら相手が「買い取る」ことで悲惨さはほとんど感じられません。

商業エロゲでいえば、たとえばBISHOP系のようなある程度ハードなプレイ要素はあるものの、総じて後味は柔らかめ、むしろ「破滅型」を望んでいた人にとっては肩透かし感があるかもしれません。ですが私はこのギャップをむしろ楽しめました。レビューによくあった「予想していたほどハードではなく、甘口寄り」という指摘はまさにその通りで、逆に「壊れていく哀切さ」を期待した読者からすると物足りなさもあったようです。

ストーリー面も意外にしっかりしていて、政治家一族と地元企業の対立という軸があり、義母・姉・妹それぞれに異なる立場や背景が与えられています。特に義母は高校時代に袖にした男からの復讐劇という要素を絡めつつ、姉は年上の有力者との歳の差恋愛に発展、妹は抗えない快楽に絡め取られていくという流れ。いずれも単なる「使い捨て」の存在には終わらず、人間関係の中でイチャラブあるいは堕ちラブに収束していく点が大きな特徴でした。

そのため「哀姉妹」という言葉はちょっと看板負けしている感もありますが、逆に先入観との落差が作品の面白さを強調しているとも言えます。孕ませ確定エンドは存在しませんが「種付け」系の描写やセリフの力の入れ方は濃く、実用性の高さを評価している人も多数見受けられました。

総じて、期待していた凌辱や破滅系のハード展開を求めると少し物足りない一方、意外にもしっかりとした甘味を含んだドラマを楽しみたい人には強く刺さる作品だと思います。私自身も「思っていたのと違う」驚きがむしろ心地よく、最後まで満足して読み切れました。

4.1

作品情報

「今回の娘は××歳、M系、処女保証、NGなし、学歴……」「500万！」「750万だ！」「800万」瀬戸内海に浮かぶN島で不定期に行われる女体オークション。調教を受け、闇市場に出品される令夫人とインテリ女子大生。母と姉を救うため、次女の亜希はオークションに自ら志願するが……

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