『 スズカノ クールな恋人がチャラ男に狙われて 』
感想レビュー
『スズカノ クールな恋人がチャラ男に狙われて』は、懺悔先生による短編のNTR(寝取られ)作品でありながら、非常に濃密な心理描写と性的描写が特徴の隠れた名作との声が多いです。主人公の涼香はクールでドライな少女として描かれていますが、青春の象徴的なスポーツ少年・日野に恋をすることでその冷たさに陰りが生まれ、チャラ男の夜霧に徐々に魅かれ堕ちていく様子がリアルかつ強烈に描かれています。
多くのレビューでは、作品の短さが故にNTRの過程が圧縮されているため、即堕ち感が強いという指摘もありつつ、短いページ数の中でも快楽堕ちや淫語など懺悔先生の特徴的な要素はしっかりと押さえられている点が評価されています。特に夜霧の妖しいキャラクターデザインとそのセックスシーンが涼香の心境の変化を引き立てる役割を果たしているという意見が多く、エロティシズムとストーリーの両立が短編ながら見事だと感じられています。
ただ一方で、「キャラクターに似合わない淫語の導入で現実感が失われている」「高校生が妊娠を願うセリフはフィクションとしても不自然」といった否定的な意見も少なからず見られます。こうした意見は作品のリアリティ重視の読者から出やすい一方で、作品が持つ背徳感や倒錯的な官能性を楽しむ層にはさほど問題視されていないようです。
また、作品の価格設定に対する不満も複数見受けられ、「90ページ弱の短編で価格が高い」という声もあります。これはボリュームに対するコストパフォーマンスを気にする読者の本音で、特に懺悔先生のファンが他作品と比較して購入を判断する際に影響を与えているようです。
私自身も読んでみて感じたのは、短編の枠の中でここまで感情起伏と性的描写を詰め込む力量に感嘆すると同時に、もう少しページ数があれば主人公たちの心情やNTRの過程にさらに深みが出たのではないかという点です。特に「涼香が能動的に夜霧に惹かれていく」という設定が物語を単なる寝取られ体験ではなく、葛藤を伴った複雑な心理ドラマとして成立させているのは見事だと感じます。
まとめると、『スズカノ クールな恋人がチャラ男に狙われて』は賛否はあるものの、NTR好きや懺悔先生のファンにとっては堪らない要素が詰まった一作であり、短編ながら強烈なインパクトを残す良作と言えるでしょう。過度なリアリティを求めず、背徳的な快楽と主人公の心理変化に没入したい読者には特におすすめです。
作品情報
私、須崎涼香が初恋に落ちたのは、誠実な日野君、あなたでした。
だけど、夜霧健司――この男が私の揺れる心につけ入ってきて……。
好きな人がいるのに……他の男に処女を奪われる罪悪に満ちた初体験。
日野君以外には無愛想で冷たい私だったのに! 真っ白にイカされる!
「涼香は奥が好きだもんな」「彼氏にバックで犯●れたことある?」
私の身体はこの男を求めている! NTRの旗手、特別書き下ろし!
(文庫換算88ページ)
サンプル
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