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【感想レビュー】夜宮香蓮、幸福世界

『 夜宮香蓮、幸福世界 』

夜宮香蓮、幸福世界

作品情報

屈辱の幸福を埋め込まれた完全無欠の風紀委員長、夜宮香蓮。
性奴となった親友の文学女子・榎並結花には深夜露出を命じられ、
さらには、母親・由希乃までも悪鬼の手に堕ちていると知る。
すべてを奪われ、支配された先に待つのは絶望か、それとも――。
「皆で一緒に堕ちていこうか、爛れた悦びだけの世界へ」
舞条弦、空前絶後の代表作「部活女子シリーズ」、圧巻の最終巻!

基本情報

※引用元:FANZA

感想レビュー:シリーズ完結作が描く堕落と幸福の大団円

総評:最終章にふさわしいゴージャス感

『夜宮香蓮、幸福世界』は、部活女子シリーズの最終章にして、夜宮香蓮の物語を締めくくる後編です。個人的には「大団円」と言える展開で、読後はじわりとした満足感がありました。家庭の事情を軸にした堕落の描写だけでなく、堕ち切ったあとの彼女の姿が鮮烈で、制服で登校しながらもケツ丸出しで奔放に振る舞うシーンは、シリーズを追ってきた読者にとって一つのご褒美のように感じられるでしょう。

一方で、水泳やバレーといった競技系キャラのエピソードがほとんど描かれなかった点に物足りなさを覚える声もあります。ですが、凌辱構造の厚みという意味では不要だったとも感じられ、むしろ香蓮とその周囲の関係に集中できた分、物語としてまとまりが出ていたと評する意見も少なくありません。

香蓮堕ちの描写と心情の深堀り

本作では、前編以上に香蓮本人の心理描写が重視されています。強気な美少女が黒幕に陥落していく過程は、衝撃的であると同時に妙な説得力を持ち、読んでいて息苦しいほどの引力があります。

周囲の人間――恋人、親友、後輩、さらには母親まで――が次々と堕とされていた事実を突きつけられるシーンは、とくに印象的でした。それまで自分は孤立無援ではないと思っていたのに、実はすべての土台が崩れていた、という展開がエグさと同時にシリーズならではの積み重ね感を演出しています。

「母娘丼」という過激な場面を含め、陥落描写がクライマックス感を持って描かれており、まさに後編にふさわしい迫力がありました。

シリーズ全体としての終着点

最終章のエピローグでは、学園全体が黒幕に染まり切り、教師も生徒も区別なく淫蕩へと堕ちた世界が広がります。そこで新たに黒幕が生徒会長に就任し、「次の計画」を立てる場面は、一種の背徳的ハッピーエンドとも言えるもので、「幸福世界」というタイトルに皮肉と快楽が同居しているのを強く感じさせるものでした。

ただ、その一方でシリーズ既存ヒロインの出番の濃淡は激しく、たとえば陸上女子や文学少女は大きく扱われましたが、水泳部やバレー部といったキャラはほぼ存在感がなく、「そこも見たかった」という読者の声もあります。とはいえ、香蓮と強く結びつく人物を中心に描いた結果として、物語が散漫にならず、終章にふさわしい構成になっていたとも捉えられそうです。

まとめ:堕落の果てに幸福を見る物語

総じて、『夜宮香蓮、幸福世界』はシリーズの終着点として申し分ない出来だったと感じます。「気の強い美少女が淫蕩に堕ち切る」で終わる快楽性と、「家庭・友情・恋愛といった人間関係の土台が壊れていく恐ろしさ」の二重構造が作用し、ただのエロ小説に留まらない文学的な深みを帯びていました。これまでシリーズを追ってきた人には必読の一冊だと言えるでしょう。

4.4

サンプル

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