【感想レビュー】リラクゼーション癒香〜魅惑のセラピストたちによる癒しのマッサージ＆洗体、そして貴方にだけ特別なコトを〜

『 リラクゼーション癒香〜魅惑のセラピストたちによる癒しのマッサージ＆洗体、そして貴方にだけ特別なコトを〜 』

感想レビュー

『リラクゼーション癒香〜魅惑のセラピストたちによる癒しのマッサージ＆洗体、そして貴方にだけ特別なコトを〜』を読んでみて、最初に感じたのは、やはり「柔らかな人間関係形成」と「愛情の積み重ね」が物語の中心になっていること。マッサージを通じて、女性たちの主体的で繊細な感情の動きが描かれているのが印象的だった。主人公が積極的にリードする場面は少ない一方で、セラピストたちが物語を牽引することで、癒しとエロスが心地よく絡み合っていて、前半は性的なサービスの枠に収まっているが、後半は女性たちの行動が主導権を握る展開になるのが面白かった。

中でも、女性同士の優越感や嫉妬が主人公視点によって、過剰な対立として描かれることなく、どこか柔らかく感じられるのが、この作品の魅力と言ってよいかもしれない。客観的なフレーバーテキストとして、他の客との話が軽く触れられる部分もあって、そうした細かい描写が世界観への没入感に一役買っている。「気持ちの細かな揺れを感じられて好みだった」という声にも共感する。

レビューを調べてみても、「回春マッサージをテーマにした官能小説として完成度が高い」「書籍版も良かった」という評価が多く、セラピストの魅力や癒しの空間作りが高く評価されているようだ。物語は和也という主人公が、仕事の失敗で落ち込んだ帰り道に偶然立ち寄った「癒香」の扉を開け、初体験の施術とともに、セラピストたちの妖艶な技術に心身ともに癒されていくという流れ。担当する女性の個性やサービスの違いを楽しむ声もあり、「こういう幸せな施設があれば、ぜひ訪れてみたい」という意見もちらほら。

一方で、エロスの描写を「AVっぽさ」や「王道的」と捉える意見、「もっと主人公に主体性が欲しかった」「やや淡白な部分もある」という指摘も見かけるが、そうした点が逆に、女性達主体の雰囲気やじわじわとした関係構築を好む層には「刺さる」のではと個人的には思う。

総じて、この作品は官能ジャンルの中でも、「癒し」と「人間関係の機微」を大切にした作品と言える。女性からの包容力や細やかな心の動きがじっくり味わえるので、セラピストものの定番だけに終わらず、余韻の残る読後感を与えてくれる。自分としては、マッサージをきっかけに生まれる人間関係と、そこから滲み出る情の空気感が心地よい一作だった。そんな感想を持ちつつ、他の読者からも「癒しとエロスのバランスが心地よかった」「癒香の世界にまた浸りたくなる」といった声が上がっているのも納得できる。

5.0

作品情報

会社員の和也は、仕事の失敗で落ち込んだ帰り道で「癒香」というマッサージ店を見つける。ユカという女性から、今日開店したばかりで自分が最初の客だと聞かされ、初体験の施術を受けることに。最初こそ普通の指圧だったがやがてユカの指先は和也の性感帯へと伸び、かつてない快感に射精してしまう。ユカの妖艶さと絶妙な技術にハマった和也は、もうひとりの女性、アヤの密着洗体も受け、「癒香」の虜となる…。

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