【感想レビュー】女教師●す

『 女教師●す 』

感想レビュー

この作品は昭和時代に刊行された短編集の一つで、著者蘭光生によるデビュー作としても知られています。時代背景が昭和ということで、現代の感覚とは異なる部分もありますが、その文学的な衝撃と陵辱描写の強烈さはいまだに色あせません。私が特に印象に残っているのは、表題作「女教師●す」および「ハイエナの生贄」、さらに次点で「エレベーター・バイオレンス」といった物語です。中でも、ヒロインが非常に激しい暴力的なレイプを受けるシーンがあるのですが、それによって彼女の美しさが際立ち、悲壮な美しさとでも言うべきものが表現されています。そうした陰鬱な美学に惹かれる方も多いかもしれません。

デジタル版の購入によって本自体が傷まないという現代的なメリットもあり、古典的な作品ながら今でも読み継がれているところに価値を感じます。文章は淡々としていて具体的な描写に徹しており、女性のセリフがほとんどひらがなで書かれている点が、より女性的で興奮を誘うという評価もあります。作品のストーリー展開は「完結」を強く意識せず、あくまで凌辱描写を淡々と描き続けるという姿勢は多くの読者に実用的であると好評です。

私の感想としては、この作品の持つ「清楚で真面目な女性が容赦なく辱められる」という徹底したテーマの貫徹は相当強烈で、現代の倫理観からは賛否両論を生みそうですが、文学的・官能的な魅力としては比較対象のないものだと感じました。実際、一部のフェミニストによる強い批判もあったようで、そうした意見も理解できますが、それでもこの作品が持つ独特の美学・雰囲気には一定の支持があるのも事実です。

様々な意見もある作品ですが、私としてはこの「悲壮美」の味わいは他ではなかなか得難いもので、古典的な官能小説として今後も読み継がれてしかるべき作品だと思います。特に昭和の官能文学の一端を知るうえでの重要な存在として、一定の評価に値するでしょう。

4.0

作品情報

放課後の体育館、新任女教師の菫に突然、襲いかかったレ●プの嵐……。肋木に縛りつけられた白い裸身は、蒼き狼たちによって無残にも引き裂かれ、果てしなき凌●と羞恥責めに慄える。

女教師 ●す
飼育
エレベーター・バイオレンス
復讐は青白き肌に
ハイエナの生贄
美囚はむごく愛せ
妖しきマリオネット

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