『 獣愛 人妻担任教師A 』

作品情報
「大きいわ、おへその下まで入ってきてる」夫では味わえない若さと激しさに女教師の理性は弾けた。早朝の教室、昼休みの図書室、休日は自宅マンションで、背徳の果実をむさぼり、獣のようにまぐわう26歳と18歳。「全部、君のせいよ、私の身体は変えられてしまったの」テストのご褒美で始まった関係は淫獣の‘姦係’へ!
基本情報
感想レビュー:焦らしと筆致で魅せる人妻崩壊劇
人妻教師が崩れていくまでの焦らし劇
田沼淳一『獣愛 人妻担任教師A』は、タイトルからして背徳と官能の香りが濃厚だが、読後に残る印象は意外にも“焦らしの妙”と“構成のベテラン技”にある。ネット上の評価をまとめると、「合体までが長い」「焦らしすぎ」「肝心の本番が少ない」という声が目立つ一方で、「筆致の淫猥さ」「人妻教師という鉄板設定の味わい深さ」を評価する意見もある。
じっくり熟しすぎた展開の賛否
Amazonや掲示板(2ちゃんねる、5ちゃんねる)では、全299ページ中、性交描写がほんの一割ほどという構成に驚く読者が多い。主人公・和輝が担任の綾子を少しずつ追い詰めていく構図は、確かに“看板に偽りなし”だが、物語の大半は彼女の心理と身体の反応を丹念に描く段階戦に費やされており、「焦らしすぎ」「もどかしい」と感じる向きも。
しかし裏を返せば、この徹底的な焦らしが田沼作品の真骨頂であり、ようやく結ばれる終盤のシーンでは“我慢の果ての破壊力”を堪能できるという声もある。多くの読者が最後の60ページに満足感を覚えた理由はそこにあるようだ。
「初夜−実母と高校生」との繋がりを感じさせる構成
古くから田沼淳一を追ってきた読者の一部は、本作を2002年の“隠れた名作”『初夜−実母と高校生』と比較している。構成が似ており、「あの手法を再び用いた」と感慨を抱いたという意見もあった。ただし、『初夜』にあった背徳感や第三者の介入によるNTR(寝取られ)的要素、暴力的な緊張感は薄れ、良くも悪くも“穏やかな”ラブエロ小説として仕上がっている。そうした点で、「塩気が足りない」「もう少し早く合体に至って欲しかった」といった惜しむ声も幾つか見られた。
文体と女性描写への違和感
一方、文章面での指摘として、「女性のセリフが古風すぎる」「時々武家の奥方のような口調になる」という意見も散見される。これは田沼流の格調の高さとも取れるが、現代官能小説としては少し現実味を欠いた印象を与えたようだ。ただし、そうした古風さを“文学的な味わい”とする読者もおり、評価は割れている。
総評:焦らし職人の熟成エロス
『獣愛 人妻担任教師A』は、人によって評価が分かれる“焦らし特化型・官能文芸”。エロスの濃度で勝負するというより、じわじわと人妻教師の理性が崩れていく過程を愉しむタイプの作品である。物理的には薄味だが、心理描写や構成力の巧みさはやはり田沼淳一らしい。性的描写よりも“崩壊までの道程”に魅力を見出せる読者には合うだろう。
サンプル
最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。
感想×コメント 作品レビューも募集してます