【感想レビュー】三人の熟巫女【添い寝】

『 三人の熟巫女【添い寝】 』

作品情報

「添い寝よりエッチなことをしてさしあげますわ」襦袢越しに熟れた双乳を押しつけ、甘く囁く江利子。緋袴の騎乗位、腰に絡む白足袋、褌姿での授乳……少年を立派な当主にするためにつづく夜伽の儀式。負けじと、他の熟巫女までが「共寝」を申し出て……31歳、37歳、43歳、競って寝所へ忍ぶ三人の天女！

基本情報

感想レビュー：大人の巫女に包まれる幻想的体験

熟巫女たちとの理想的な関係性

巽飛呂彦の「三人の熟巫女【添い寝】」は、年齢の異なる三人の巫女たちと主人公の濃密な関係を描いた官能小説です。レビューを見ていて一番印象的だったのは、三人の巫女それぞれが主人公を心から想い、尽くす姿に強く惹かれたという声でした。年齢を重ねているからこその母性や落ち着き、そこから生まれる甘々な雰囲気が作品全体を包み込んでおり、単なるエロ小説以上に「癒し」として捉えられている読者も多いようです。官能描写自体も「甘やかしと濃厚さが両立していて理想的」という高評価が見受けられます。特に「母性的な女性に尽くされたい」という願望を持つ読者にとっては、非常に満足度の高い一冊になっていることが伝わってきました。

物語構成に対する賛否両論

一方で、ストーリーの進行や演出に関しては辛口のレビューも少なくありません。序盤の筆おろしの場面が強引かつ唐突で、通常であればトラウマ級になりそうな展開が「甘美な初体験」として描かれている点について違和感を抱く人もいます。特に年長の巫女がじっくり導いていく流れを期待していた読者は多かったらしく、それを裏切る脚色に「雑」「説得力がない」といった反応が目立ちます。また、物語として必要なフォローや和解を飛ばしたまま展開が流れる点は、キャラクターへの感情移入を妨げる要素とも言われていました。

エロスとカオスの狭間で

ただ一部の読者からは、この唐突さや過剰なシチュエーション展開を「ハーレクイン的な突飛さ」「エロゲ的で笑える」と肯定的に捉える声もあります。巫女服からボンデージや制服プレイに展開する突飛な流れについても、リアリティを求めすぎなければ「ご都合を楽しむべき小説」として受け止められる側面がありそうです。つまり、整合感を重視する人にはマイナスに見え、フェティッシュな遊びを求める人にはプラスになるという二面性を持つ作品だと言えます。

甘さを求める読者向けの一冊

結局のところ、この作品の魅力は「母性的で美しい大人の女性に優しく包まれる」という一点に集約されます。濃厚な官能シーンはもちろんのこと、「自分を本気で想ってくれる存在に囲まれる」夢を叶えてくれる点で非常に強力なファンタジー性を備えています。ストーリーの雑味や突飛さは評価を分ける要素ですが、「エロさと甘さがしっかり両立している」と高評価する読者が多く、やはり賛否を含めて印象に残る作品であることは間違いありません。

4.0

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