【感想レビュー】姦獄【町ぐるみの罠】 狙われた未亡人と娘姉妹

『 姦獄【町ぐるみの罠】 狙われた未亡人と娘姉妹 』

作品情報

「由美子、貴子、ママの姿を見ないで……ああっ」未亡人の尻の狭間に埋まっていく禍々しい巨根。獣のように狂う佐和子を見つめる町の有力者たち。田舎へ引っ越してきた一家を襲う町ぐるみの罠。熟未亡人とふたりの美娘が、美獣に変わる肉檻。悪魔の巣窟に足を踏み入れた女家族の惨劇！

基本情報

感想レビュー：孤立村で堕ちる母娘三人の狂宴

母娘三人が堕ちる因習村の罠

御堂乱の姦獄【町ぐるみの罠】狙われた未亡人と娘姉妹は、辺鄙な村に移住した未亡人と二人の娘が、「村の掟」という名の狂気に飲み込まれていく官能ドラマである。レビューでは賛否が分かれているが、全体的に“堕ちていく過程の描写”には評価が集まっている。村全体がグルで凌辱儀式を仕組むという設定は背徳的で、読者を異様な閉鎖世界に引きずり込む力がある。特に、母娘の順番をガラガラ抽選で決めるという冒頭の場面は、背徳とユーモアが混ざり合い、多くの読者を引き込んだ。

村社会の暗さと美しさ

閉鎖された村社会の描写が巧みだとする声が多く、都会から来た母娘の美しさと、村人たちの歪んだ欲望が交錯する構図が印象的。医師や教師といった“表の顔を持つ村人”が裏では性的加害者という二面性が強烈で、作品全体に潜む闇を際立たせている。次女の淡い恋心と、それが蹂躙される悲劇的展開にも文学的要素が垣間見えるという意見も。

エロ描写の濃密さと弱点

一方で、リアリティの欠如を指摘する声も少なくない。未亡人があっさり快楽に堕ちる展開、娘たちが短期間で受け入れる心理変化など、「ご都合主義的」「白ける」といった言葉が並ぶ。村の人口規模や生活描写の矛盾など、構成上の粗も散見される。しかし、濃厚なエロ描写と、各男性キャラの下劣さに魅力を感じたという読者も多く、「官能要素で押し切る力技」として一定の評価を得ている。スーパー店長や体育教師などの脇役による責めも濃密で、“中年のねちっこさが光る”という感想も。

作者への期待と読後感

御堂乱作品の中でも、設定の過激さと筆致のまとまりのバランスに課題があるとされる。多作の時期にやや勢い任せの印象を受けたという意見もあったが、「平均以上の官能を維持している」と贔屓の読者は評価。村の掟の異常性や、母娘が少しずつ壊れていく心理的堕落をじっくり味わうなら、本作は十分に読む価値がある。批判を受けつつも、“淫らで濃密な美学”は御堂作品らしさを失っていない。

4.0

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